嗅覚障害について

①嗅覚障害の原因は何ですか?

 

嗅覚障害の原因はいろいろあります。嗅覚機能の低下(においがしない・においを感じにくい)が訴えの大半を占めますが、嗅覚が敏感になり軽微な悪臭にも耐えられない嗅覚過敏、本来よいはずのニオイを悪臭と感じる嗅覚錯誤(さくご) などもあります。

 

原因は大きく分けて3つあります。

1.アレルギー性鼻炎、ちくのう症、鼻中隔彎曲症、鼻茸などの、鼻づまりによるもの。

2.風邪を引いた後などに、急に鼻の粘膜がニオイを感じとれなくなっているもの。(1と3が混合したものです。)この理由はまだよくわかりませんが、発生比率は男性1:女性5と圧倒的に女性に多く、しかも中高年に多いのが特徴です。

3.ウイルス感染、有害物質の吸入、頭部の外傷、腫瘍、加齢などの中枢神経の障害によるもの。アルツハイマー病やパーキンソン病の初期症状である場合もあります。またヒステリー、神経衰弱、ストレスなどによるものもあります。

 

統計をとると、アレルギー性鼻炎やちくのう症、風邪が原因となるものなどが大半を占めます。

 

 

②どんな治療法がありますか?

 

原因により治療方法は異なりますが、嗅覚障害の原因、重症度によって異なります。まずは原因となる疾患の治療を行なうことが大切です。抗アレルギー薬の服用、副鼻腔炎の治療薬の服用、粘膜の腫れに対する治療などそれぞれの疾患にあった治療を行います。嗅覚障害に対してはステロイド剤の点鼻薬を使ったり、ビタミン剤や血流を改善する薬を服用する治療を行います。漢方薬が有効な場合もあります。

症状が出てから3ヶ月以上経過している場合は治すのが難しくなりますが、ステロイド点鼻療法を長期間、根気強く続けることで症状の改善がみられる場合もあります。

嗅覚障害は原因によって対処法が異なります。原因となる病気の治療と早期の治療開始が嗅覚障害の解決の近道です。早めに耳鼻科医院を受診して、しっかりと治療していきましょう。