中耳炎(ちゅうじえん)について

中耳炎(ちゅうじえん)はどんな病気?

鼓膜(こまく)の内側の、中耳という部分に起こった炎症を中耳炎といいます。急性中耳炎は痛みが出る中耳炎で、小学校低学年までの、小さいお子さんに多い病気です。かぜ症状が長引いてしまった後や、鼻を強くかみすぎたり、大泣きした後などになることが多いです。

日中は元気に遊んでいても、夜中に急に耳が痛くなって気付く場合もあります。耳が痛むことが多いですが、聞こえも悪くなります。熱が出たり、耳だれがでることもあります。

小さいお子さんは、急性中耳炎のあとに水がたまる滲出性(しんしゅつせい)中耳炎という病気になることも多いです。痛みはあまりなくて、聞こえが悪いことで気付く場合があります。赤ちゃんは自分で聞こえが悪いことが言えないので、診察を受けて初めて気付いたり、おかあさんが聞こえが悪い、機嫌が悪いなどの症状から気付くことも多いです。

大人でも中耳炎になる場合があります。慢性化すると鼓膜に穴が残ったり、聞こえが悪いままになることもあります。手術が必要になる中耳炎もありますので注意が必要です。

 

中耳炎はどうして起こるの?

中耳は耳管(じかん)という管で、鼻の奥とつながっていますが、かぜ症状のあとなどに、バイ菌がこの管を伝わって中耳に入り炎症を起こします。小さいお子さんは耳管の働きが未熟なので中耳炎になりやすいです。急性中耳炎は平均的には約1週間から2週間ぐらいの経過で治ることが多いですが、痛みが取れても、炎症が残っていたりすると、繰り返し中耳炎になったり、知らない間に滲出性中耳炎になっていることがあります。滲出性になると1カ月あるいはそれ以上の時間がかかる場合もあります。

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中耳炎にはどんな治療をしますか?

症状や炎症の程度によって、抗生物質を使ったり、鼓膜切開(こまくせっかい)をして、中に溜まった膿を出します。鼻とのどの治療も大事ですので、一緒に治療を行います。

滲出性になった場合はお薬も使いますが、通気(つうき)療法といって、お鼻から空気を通す治療を行うこともあります。治りにくい場合は鼓膜を切開したり、チューブを入れる治療を行う場合があります。ちゃんと治さないと、何度も繰り返す場合が多いので、耳鼻科での治療をお勧めします。