めまいのときに使う薬について

めまいの薬には原因疾患を治す薬とめまいの症状を和らげる薬があります。

原因疾患を治す薬としては、例えば、メニエール病では内リンパ水腫を軽減するための利尿薬、自律神経失調症や更年期障害では自律神経安定のための自律神経調整薬などがあります。 めまいの症状を和らげる薬としては、例えば、めまいを抑える抗めまい薬、吐き気を抑える制吐薬、不安を和らげる精神安定剤などがあります。

 

利尿薬は余分な水分を尿として排出させる薬です。余分な水分の排出を促すことによって、内リンパ水腫を軽減させる作用がありますので、メニエール病などに処方されます。副作用として頭痛、悪心、吐き気、貧血などが出ることがあります。

 

ステロイド剤は炎症を抑えて、血流を改善する作用があります。内服か点滴で用いられます。短期間の使用のため、副作用の心配はあまりありません。突発性難聴、前庭神経炎、外リンパ瘻などに処方されます。胃潰瘍や結核、糖尿病の人には注意が必要です。

 

脳循環代謝改善薬は循環改善薬脳や内耳の血流や代謝を改善する目的で使われます。

椎骨脳底動脈循環不全、脳梗塞、TIA、頸性めまい、突発性難聴などに処方されます。

 

自律神経調整薬は自律神経の乱れによって現れるめまいのほか、耳鳴りや頭痛、肩こりなど、様々な症状に

有効です。自律神経失調症、更年期障害、心因性めまい、起立性低血圧などに処方されます。

 

ビタミンB12製剤は末梢神経を回復させる作用があります。末梢神経細胞の代謝を改善し、神経障害の回復に有効です。前庭神経炎、メニエール病、突発性難聴、内耳炎、頸性めまいなどに処方されます。

 

抗めまい薬は神経の興奮を抑えて、めまいや吐き気を抑えます。

メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、突発性難聴、椎骨脳底動脈循環不全などに処方されます。

 

制吐薬は吐き気を起こす神経伝達物質(ドーパミン)の働きを抑えることにより、吐き気や嘔吐を抑えます。 内服や注射で用いられます。

 

炭酸水素ナトリウムには内耳の血流を改善する働きがあり、めまい発作を抑える目的で処方されます。

精神安定薬、抗不安薬、抗うつ薬は不安感を和らげて、精神の安定をはかり、めまいの症状を和らげる薬として処方されます。

 

これ以外に漢方薬なども処方されます。