鼓膜切開について

①鼓膜切開はどんなことをするのですか?

 

急性中耳炎(きゅうせいちゅうじえん)や滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)になると鼓膜の内側に膿(うみ)や滲出液(しんしゅつえき)がたまり、痛みが出たり、耳の聞こえが悪くなります。症状がひどい状態の場合や、お薬の治療などでなかなか治らない場合に行う治療です。

鼓膜に少しだけ穴を空けて、奥に溜まっている膿や滲出液を抜きとる治療を行います。

急性中耳炎では痛みを取り除き、また熱を下げる効果があります。滲出性中耳炎では聞こえをよくする効果があります。

              

②お願い

 

鼓膜切開した当日は、耳の中に水が入らないようにご注意下さい。また、激しい運動は控えてください。鼓膜に穴が開いておりますので、特にスイミングは控えてください。 鼓膜切開する事によって中耳炎がすぐに治ってしまうことではありません。しばらくの間は、切開した穴から膿や滲出液、場合によっては血の混じった耳だれが出てくる場合もあります。穴がちゃんと閉じて、中耳炎が治るまではしっかり治療しましょう。

また、一度だけの切開では完治せず、何回か切開を行わなければならない場合もあります。切開した穴は、炎症が落ち着いてくると通常は3~4日で閉じます。鼓膜は再生能力が強いので、繰り返し鼓膜切開を行っても心 配ありません。

しかし、病気がひどかったり、切開した後に通院治療が行われないと、穴がそのまま残ってしまう場合もあります。そうすると難聴になってしまいます。

継続して治療を行なう必要がありますので、痛み等がなくなっても安易に治ったと判断しないで、医師の診察を続けることをお願いいたします。