咳喘息

①咳喘息って何?

咳喘息にかかると、一カ月以上、空咳(からぜき)が続きます。ひどい場合は咳が一年以上続くこともあります。ただし、喘息に見られるゼイゼイ、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難はありません。また、発熱や痰(たん)などの症状はほとんど出ません。

夜中から明け方に激しい咳がでたり、寒暖の差や喫煙で咳が出やすくなるのが特徴です。のどにイガイガ感を伴うこともあり、長話をした際、のどが渇いたり枯れたりもします。咳の発作が激しい場合は、胸の痛みを感じたり、嘔吐、失神したりすることもあります。

咳喘息は、喘息の前段階ともいわれています。咳喘息を放置すると、本格的な喘息に移行してしまうことがあります。

②治療はどうするの?

気管支拡張薬(気管支を拡張させて空気の通り道を広げる薬)や吸入・経口のステロイド薬を使います。気管支拡張薬を使って、咳がある程度治まれば、咳喘息と診断し、吸入ステロイド薬を使った治療を開始します。

③注意することは何?

咳喘息は放置していても自然に治る場合もありますが、患者さんの約30%が喘息に移行します。再発をくり返すこともありますので、通院・お薬の服用に関しては医師の指示に従ってください。また、かぜやインフルエンザかかると、気道の粘膜が炎症を起こします。その結果、わずかな刺激にも反応し、気道が収縮して咳喘息が起こりやすくなります。そのほか、喫煙や飲酒などによっても気道が収縮し、気管支に炎症を起こす要因になる場合もありますので、予防のためには喫煙や飲酒は控えることをおすすめします。