水痘(すいとう)、水疱瘡(水ぼうそう)について

①水痘(すいとう)、水疱瘡(水ぼうそう)について教えてください

 

原因となるのは、ヘルペスウイルスの中の水痘帯状疱疹ウイルスです。初めて感染した時には水疱瘡で、体に潜伏していたウイルスが、免疫機能が落ちてくると現れて発疹が再発するのが、帯状疱疹です。潜伏期間は約2週間です。かかるのは9歳以下の子供がほとんどですが、特に1~5歳の頃に多い病気です。

このウイルスは感染力が強く、空気感染、飛沫感染、接触感染のどれでも感染します。体に入ってから発疹が出る2日ほど前から、ウイルスは体の外に出て他の人にうつす恐れがあります。症状が出る前なので防ぎようがありません。

 

②どのような症状がありますか?

症状は、まず軽い発熱に始まり、体のだるさや食欲の低下が起こりますが、この時点では水疱瘡患者と明らかに接触したということでなければわかりません。約2日ほどで、ポツポツと赤い発疹が出始めます。お腹や顔にまず現れることが多いですが、見た目にすぐ水疱瘡と判断できるものではありません。その後数が増えて、発疹は半日ほどで水ぶくれに変わっていきます。その後数時間で発疹がふくらんで水ぶくれ(水疱)状になり、体中にバラバラと広がり始めます。水ぶくれはかさぶたかさぶたになって治ります。すべてのかさぶたがはがれおちるまで、 約3週間程度かかります。健康な子どもであれば一般的に軽く済みますが、重症化する場合もあります。

大人になってから水疱瘡にかかると、38度以上の高熱が出て、湿疹の範囲も全身に広がり、子どもよりひどくなります。1週間程度でカサブタになりますが、すぐに湿疹の痕が消える子どもと違い、水疱瘡の跡が数か月から数年は残ってしまうことが多いです。

 

③どのような治療を行いますか?

治療は、病院で処方される「亜鉛華軟膏(あえんかなんこう)」という薬で皮膚を掻かないよう保護し、痒みに対しては痒み止めの効果がある「抗ヒスタミン薬」を服用して対処します。飲み薬はウイルスが増えるのを防ぐ抗ウイルス薬、アシクロビル(ゾビラックス)、バラシクロビル(バルトレックス)などを使います。効果があるのは発症初期からの内服なので、発症から2日以内には飲み始めた方がいいでしょう。

大人用の風邪薬、痛み止めに入っているアスピリンなどのピリン系の薬を水疱瘡の時に飲むと、ライ症候群という急性脳症を起こす事があり大変危険です。子どもに発熱があるからと、大人用の風邪薬を飲ませたりしている人は特に注意です。その前から服薬している人も、水疱瘡の疑いを感じたら直ちにやめるようにしましょう。