スギ花粉症に対するアレルゲン舌下免疫療法

シダトレンはスギ花粉由来のアレルゲンを含む液であり、まれにショックなどの不測の事態が誘発されるおそれがあることから、安全を期して「シダトレン受講修了医師」のみ処方可能となっております。処方医師はシダトレンの正しい服用方法と万一の場合の対処法を、処方を受けるスギ花粉症の患者さんに説明した上で、十分理解して頂くことが求められております。

 

 ①スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法のメリット

1.花粉症治療法の中で、唯一根治が期待できる治療法です。

2.根治にいたらなくても軽症化によって薬の量が減らせる可能性があります。

3.治療終了後も一定の効果が持続します。

4.アレルギー性鼻炎の治療法ですが、アレルギー性結膜炎、喘息にも効果があるとされています。

 

 

②スギ花粉に対するアレルゲン舌下免疫療法のデメリット

1.即効性はありません。またすべての方に有効というわけではありません。

2.数年にわたる毎日の治療の継続が必要です(3年程度)。

3.現在のところスギ花粉症でのみ、効果がみとめられています。

4.薬剤に対する急性の過敏反応(アナフィラキシー)を起こし、ショック等に至る可能性があります。

5.重症の気管支喘息、がん、免疫の異常のある方、妊婦さん、12歳未満の小児には行えません。

 

 

③処方を受けた方は、用法・用量をしっかり守ってください。異常を感じたら直ちに医療機関を受診してください。当院では、授乳中の方、喘息発作を起こしやすい方、口腔内に傷や炎症のある方、降圧剤、ステロイド薬、抗うつ薬を服用中の方、心臓や肺の病気をお持ちの方、スギ花粉以外のアレルゲンに対しても反応性が高い方は、治療が出来ません。当院では5月下旬から10月までの期間を治療開始時期としております。

 

 

④治療の流れ

問診でシダトレン投与が可能と判断された場合、採血でスギ花粉などのアレルゲンに対する反応性を調べ、結果で診断を確定します。スギ以外のアレルゲンにも強い反応性があることがわかった場合は有効性や安全性が確立していないため、他の治療法をおすすめいたします。シダトレン初回投与後の経過観察が30分間必要であること、アナフィラキシー等が起こった場合、緊急搬送が必要であることなどから当院では午前11時までに診察を受けられた方に初回投与を行っております。

 

 

⑤シダトレンを処方した方には『患者携帯カード』をお渡ししますので、常時携帯をお願いします。一回目の服用は院内で行って頂き、30分間様子を見させていただき異常がなければ帰宅して頂きます。翌日からはご自宅での服用となりますが、可能であれば家族や第三者の同伴のもとで日中に服用して下さい(夜中に一人で服用しないでください)。服用する前後2時間程度は、激しい運動、アルコール摂取、入浴等を避けて下さい。体調不良の場合や口やのどの痛み、腫れ、痒み、声がれが生じた場合は服用せず早めにご連絡下さい。