ダニの舌下免疫療法について

①ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法について教えてください

室内塵ダニアレルギー性鼻炎は、室内塵ダニに対するアレルギーが原因となって、くしゃみ、鼻漏、鼻閉、そう痒感などの鼻症状が発現する疾患です。舌下免疫療法とは、減感作療法(アレルゲン免疫療法)のひとつで、アレルギー疾患の原因となるアレルゲンを、低濃度から口腔内舌下に投与し、アレルゲンに対する過敏性を減少させる治療法です。アシテアダニ舌下錠とミテイキュアダニ舌下錠が承認、薬価収載されました。効果効能はアシテア、ミティキュアとも同じです。アレルギー性鼻炎に対するものなのでアトピー性皮膚炎やほかのアレルギーに対しての効果は不明です。

②どのようにして治療を行いますか?

ミティキュアは成人及び12 歳以上の小児に対して投与開始後1週間は、ミティキュアダニ舌下錠3,300JAUを1 日1 回1 錠、投与2 週目以降は、ミティキュアダニ舌下錠10,000JAUを1 日1 回1 錠、舌下にて1 分間保持した後に飲み込みます。その後5 分間は、うがいや飲食を控えます。本剤を服用する前後2時間程度は、激しい運動、アルコール摂取、入浴等を避けます。また本剤服用後30分、又は投与開始初期はアナフィラキシー等の発現に特に注意する必要があります。

③注意することはありますか?
ミティキュアの投与によってアレルギー症状を発現したことのある方にはこの治療は出来ません。また65 歳以上の高齢者の方、妊産婦、授乳婦の方、12 歳未満の小児の方、気管支喘息の方、 悪性腫瘍、又は免疫系の全身性疾患のある方(自己免疫疾患、免疫複合体疾患、又は免疫不全症等)にはこの治療をお勧めしません。抜歯や口腔内の術後の傷や炎症がある方、非選択的β遮断薬服用中の患者さん、三環系抗うつ薬及びモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)服用中の患者さん、重症の心疾患、肺疾患及び高血圧症の患者さん、全身性ステロイド薬を投与されている患者さんにもこの治療はお勧めしません。
ミティキュアの副作用として口腔浮腫16.9%、口腔そう痒症14.5%、咽喉刺激感12.9%、咽頭不快感10.7%、口腔内不快感10.2%、口の錯感覚9.6%、耳そう痒症7.0%が報告されております。ショック、アナフィラキシーがあらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、呼吸困難、全身潮紅、顔面浮腫・咽頭浮腫等の血管浮腫、蕁麻疹、喘息等の異常が認められたときには、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うことが必要です。