花粉症に効くサプリメント

 花粉症には免疫機能を正常化するサプリメント、ヒスタミン、ロイコトリエンなどによる反応を和らげるサプリメント、鼻や目の粘膜を強化して防御機能を高めるサプリメントなどが効果的と考えられます。

①ビタミンCは肥満細胞からのヒスタミン放出を防ぐ作用があります。腸内環境を整備して免疫力を高めますので、アレルギーの緩和効果が期待されます。炎症を抑制するために必要な「副腎皮質ホルモン」の分泌にはコレステロールとビタミンCが必要です。ビタミンCを1日1,000mg、3日間投与した患者さんの血中ヒスタミン濃度が大幅に減少したとの報告があります。また花粉症の患者さんに1日2,000mgのビタミンCを投与するとアレルギー症状を緩和するという報告もあります。

②ビタミンDの働きはいろいろありますが、①免疫力の向上、②耐糖能の改善、③がんリスクを低減するなどの働きが知られております。①に関しては、ナチュラルキラー細胞の活動とマクロファージの食作用を活発化させることが知られています。活性型ビタミンDは抗病原体タンパク質・カテリシジンを作りだし、さまざまな細菌やウイルスなどの病原体に対する免疫力をアップさせていることが知られています。花粉症の予防にもビタミンDの効果が期待されております。

③花粉症の人は免疫細胞「Th1細胞」と「Th2細胞」のバランスが崩れているといわれております。乳酸菌はこの免疫細胞のバランスを調整し、腸内環境を整えるはたらきがあります。善玉菌の多い腸内環境を整えることが花粉症の予防につながると考えられます。

④コラーゲン、亜鉛、マグネシウム,セレン,ビタミンB群、ベータカロチン等は粘膜強化に効果があるといわれます。マグネシウムが不足するとアレルゲンによるヒスタミン放出量が増えるといわれます。

⑤ミントティー、ペパーミント、ケルセチン、ケールの青汁、バラ,甜茶抽出物,赤シソ、霊芝などのハーブ、ポリフェノール成分は、活性酸素を抑える抗酸化作用があり、免疫力アップに効果的といわれております。アレルギー緩和に効果があります。

⑥オメガ6系の必須脂肪酸はリノール酸→γ-リノレン酸→アラキドン酸→プロスタグランジン類(又はアラキドン酸→ロイコトリエン類)と変化し、炎症を促進する方向に働きます。プロスタグランジン類とロイコトリエン類は炎症を引き起こしますので、リノール酸を多く含む植物性油の摂りすぎは花粉症には良くありません。

⑦オメガ3系の必須脂肪酸はα-リノレン酸→エイコサペンタエン酸(EPA)→ドコサヘキサエン酸(DHA)と変化し、体質を改善させてアレルギーを防ぐ免疫調整作用があります。DHAはアラキドン酸からプロスタグランジン類の生成を抑えると同時に、アラキドン酸からロイコトリエン類の産生も抑えます。EPAはアトピー性皮膚炎のかゆみや発疹を改善する効果があります。DHAを多く含む魚の油、亜麻仁油、エゴマ油などは花粉症を改善すると考えられます。

 サプリメントは 効き方に個人差があります。ある人には効果があっても、別の人には効果がなかったりする場合があります。花粉症の対策で一番大切なことは、抗原となる花粉を体内に侵入させないようにマスク,眼鏡,帽子などで防御し、タバコやアルコール,不規則な生活習慣,偏食など花粉症の症状を悪化させる原因を取り除き、規則正しい生活習慣、食生活を心がけることです。