味覚障害について

①味覚障害の症状について教えてください

 

味覚障害の症状として主なものに、

1.味がよくわからない(味覚減退)

2.味がまったくわからない(味覚消失)

3.口の中になにも無いのに味を感じる(自発性異常味覚)

4.ある特定の味(甘みなど)が分からない(解離性味覚障害)

5.何を食べてもいやな味になる(悪味症)

があります。

 

②味覚障害の原因にはどんなものがありますか?

 

味覚障害の原因は様々ですが、多いものとして、①亜鉛の欠乏 ②口腔内の乾燥などによって味を感じる器官である「味蕾」の働きが鈍くなることが挙げられます。亜鉛の吸収を抑制する作用や唾液の分泌を抑える作用のある薬で起きることもあります。複数の薬剤投与を受けている患者さんの場合は原因の特定が難しくなります。

このほか、精神的なショックやうつなど心因性の味覚障害もあります。女性に多く見られ、味覚障害全体では嗅覚障害と同様、高齢の方の増加が目立ちます。また、味覚と嗅覚は密接に関わっているので、鼻炎などの鼻の病気があると味覚に異常をきたす場合が多くなります。

 

③どのような治療法がありますか?

 

原因により、治療法は異なりまので、問診や検査を行なった上で、味覚障害の原因を特定し、それに応じた対応を行っていきます。鼻炎やちくのう症などがある場合は、それらの治療も並行して行なっていきます。原因が純粋に亜鉛の欠乏による場合は、食事と栄養指導を行うとともに、亜鉛のサプリメントを服用します。薬物性味覚障害では、可能であれば原因となる薬剤の服薬を中止、減量するとともに、亜鉛製剤を処方します。

味覚障害はまず原因を特定することがとても大切です。 薬の副作用が原因である場合はその薬剤の特定が重要ですので、本日医師に伝えていないが現在服用中の薬があれば必ずおっしゃってください。

「味を感じにくくなった」、「嫌な味がする」、「食べ物の味が変わった」、「食事がおいしくなくなった」と思ったら、早めに耳鼻科医院を受診して治療されることをお勧めします。