急に声が出なくなった

 急性喉頭炎

鼻水やのどの痛みなどのかぜ症状に引き続いて、あるいは突然、声がれを発症します。発作性の咳、発熱や嚥下痛(食べ物を飲み込む時の痛み)を伴う場合もあります。ウイルス感染によって起こる場合が多く、さらにインフルエンザ菌、肺炎球菌、溶血連鎖球菌、ブドウ球菌などの細菌との混合感染を起こすこともあります。冬に多い病気で、猩紅熱、麻疹、百日咳などの感染症に合併することもあります。のどを使いすぎたり、運動やスポーツの応援などで声を使いすぎたりして発症することもあります。刺激性のガスや煙、ちりやほこりの吸入、たばこの吸いすぎ、気候の急変、などの後になることもあります。

 

声帯ポリープ、声帯結節

声がれを起こす代表的な病気です。声の出し過ぎ、使い過ぎ、喫煙などが原因で声帯の粘膜が変性して、ポリープ状、結節状に突出したものです。これに近い病気にはポリープ様声帯などがあります。いずれも同じような原因で起こります。学校の先生や幼稚園の先生、接客業の方など声を使う仕事の方や、歌手の方、大声を出す元気なお子さんなどにできることが多い病気です。

癌などの悪性の病気に変化することはありませんが、一度できると完全に元通りに戻ることは難しいです。早期に診断して、原因を取り除く必要があります。

治療法としては、吸入などの局所療法と、沈黙して声帯をなるべく動かさないようにして安静にしてもらうことが中心となります。しばらくこういった治療をしても症状が改善しない場合や声がれがひどい場合は、手術することもあります。しかし、同じような発声習慣を続けるとまたできてしまうことがあります。

 

仮性クループ

ある日突然に声がかれたり、犬やオットセイが吠えるような、変わった咳が出たりします。 呼吸をするときにゼーゼーして息苦しそうにすることもあります。 39度前後の高熱がでることもあります。 声帯付近の炎症が強いと、呼吸困難がおこりますので緊急入院が必要になります。

パラインフルエンザウィルス、インフルエンザ菌などの感染によりおこります(ジフテリアによるものをクループといいますが、日本ではほとんど見られません)。 のどが炎症のために腫れて、空気の通り道が狭くなっておりますので、吸入治療を行ったり、炎症をとるお薬を飲んだりします。入院して点滴が必要になる場合もあります。