唾液腺の病気について
唾液腺の病気
唾液腺(つばを作る細胞の集まり)の病気は主に耳鼻咽喉科で診断・治療を行います。 唾液腺には耳下腺・顎下腺・舌下腺があります。唾液腺で作られた唾液は細い管を通って口の中に流れ出て、そしゃく・消化を助けます。唾液腺には悪性の腫瘍ができる場合もありますので注意が必要です。
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
唾液腺が腫れる病気で最もよくみられるものです。潜伏期は2~3週間です。典型的には両側の耳の下が腫れますが、片側の時もありますし、顎の下の顎下腺も腫れることもあります。また感染しても唾液腺が腫れない場合も約3割ぐらいあるといわれております。(不顕性感染)
幼稚園などで集団感染を起こすことがあり、子供さんの病気と思いがちですが、成人にも発症する病気です。ウィルス性感染症で特に治療法はありませんので、安静と痛みが強い場合には鎮痛剤を使います。多くの場合は唾液腺の腫れと発熱程度で治癒しますが、時に合併症が起こります。耳鼻科では内耳炎になると急激に高度の難聴になる場合があります。この場合、残念ながら治療して治すことは難しいです。
反復性耳下腺炎
くり返し起るおたふくかぜ様の耳下腺炎です。5~10歳に多い病気です。初回はほとんどおたふくかぜと見分けがつかないのですが、2回以上おきた場合は血液検査をして、おたふくかぜの抗体があるかどうかを調べます。 片方だけが腫れ、症状はおたふくかぜ程ひどくはならない場合が多いです。
口の中を清潔に保ち、ガムやレモンなど唾液の分泌を促すものを食べるとよいといわれていますが、積極的な治療法はありません。細菌が感染しておこる化膿性耳下腺炎の場合には、早めの抗生剤の内服が必要です。何度も繰り返す場合は耳鼻科専門医への相談をお勧めいたします。
顎下腺唾石症
食事の時に急にどちらかの顎の下が腫れる病気です。舌の下が赤くなったり、腫れて痛むこともあります。顎下腺から口の中に唾液を通す細い管がありますが、その中に石ができて唾液をせきとめてしまうことが原因です。石があると何度も腫れまてしまいますので、手術することをお勧めします。小さいものは口から摘出することもできますが、大きいものや奥にあるものでは顎下腺ごと摘出する必要がある場合もあります。