甲状腺の病気について
甲状腺はどんな働きをしますか?
甲状腺は、新陳代謝を促進するための甲状腺ホルモンを分泌する臓器です。身体の活動に大きく関与しています。そのため、甲状腺の働きが強すぎると新陳代謝が促進されすぎて身体は消耗傾向になります。逆に、甲状腺の働きが弱まると新陳代謝が低下して身体機能も低下気味になります。
甲状腺の病気の症状は?
甲状腺の働きが亢進したり、低下すると様々な症状が現れます。例えば、安静にしているのに、心臓がドキドキする、手指が細かくふるえる、暑がりになり、水をよく飲み、汗をたくさんかく、よく食べているのにやせてきた、イライラしやすくなった、落ち着きがなくなった、体が冷え、寒がりになった、肌が乾燥し、カサカサになった、体が重く、だるく感じるようになった、食欲がないのに太ってきた、朝起きた時に、顔や手がむくむ、便秘をしやすくなった、昼間も眠く、居眠りをするようになった、脈がゆっくり静かになった、月経が不順になった、首がはれているなどが一般によく見られる症状です。甲状腺にしこりができただけでは、症状が何も無い場合もあります。気になる症状のある方は病気かどうか一度検査することをおすすめします。
甲状腺の病気について教えてください
バセドウ病は、甲状腺を異常に刺激する物質(TSHレセプター抗体といいます)が体内で作られ、この物質がどんどん甲状腺ホルモンを大量に作らせてしまう病気です。男性より女性に多くみられます。
橋本病は「慢性甲状腺炎」ともいわれます。この炎症は「自己免疫」の異常が原因で起きます。
甲状腺機能が基準値内にあれば治療の必要はありませんが、甲状腺機能の低下がある場合には甲状腺ホルモン剤の補充が必要です。
亜急性甲状腺炎は甲状腺がはれて痛みがでる病気です。鼻やのどの炎症に続いて起こることがあるため、ウイルスが原因ではないかと言われていますが原因は不明です。
甲状腺には良性の腫瘍や悪性の腫瘍ができる場合があります。甲状腺に大小さまざまな大きさのしこりがいくつかできる腺腫様甲状腺腫という病気もあります。
治療はどうするのですか?
甲状腺ホルモンが低下した時には甲状腺ホルモン薬を用い、亢進した時には抗甲状腺薬を用います。甲状腺に腫瘍ができた場合は、病状にもよりますが、原則的には手術を行います。
甲状腺の細胞は、ヨウ素(ヨード)を原料としてホルモンを作っていますので、甲状腺はヨウ素を取り込みます。アイソトープ(放射線ヨウ素)治療は、放射性ヨウ素を甲状腺に取り込ませて治療する方法です。