突発性難聴について
突発性難聴はどのような病気ですか?
耳の聞こえが急に悪くなったり、耳鳴りがする病気です。朝起きた時に気付く方もいますし、電話をしたり、他の人と話をしていて気付くこともあります。耳が詰まった感じで気付く方もおります。いつからかはっきりしないが、徐々に聞こえが悪くなったような難聴は突発性難聴ではありません。急に発症することが特徴です。
聞こえの神経はめまいの神経と同じ内耳にありますので、約30~50%の方はめまいを伴います。回転性の場合もあり、動揺性の場合もありますが、突発性難聴に伴うめまいは、一般的にその場限りの一過性で、メニエール病のように繰り返すことはありません。
突発性難聴はどうしておこるの?
まだ原因がよく分かっておりません。ウイルス感染や急に血液の流れが悪くなったりして起こると言われております。発症した時は、肉体的な疲労やストレスを感じている方が多いです。
発症して出来るだけ早く治療を始めた方が良いです。出来れば1週間以内、遅くとも2週間以内に治療を始めた方が良いです。治療を始めるのが遅いと治らない場合があります。難聴の程度がひどい場合は、早く治療を始めても治りが良くありません。
治療はどうするの?
ステロイドによる治療が効果的と考えられていますが、糖尿病や感染症を悪化させる可能性もありますので、それらの病気がある場合には慎重な対処が必要になります。そのほかに、ビタミン剤、血管拡張剤、抗凝固剤などが使われます。めまいを伴う場合はめまいを止める薬も一緒に使われます。まだ、確実に効果のある治療法は無いのが現状ですが、高圧酸素療法や星状神経節ブロックなども行われます。当院ではキセノン光線療法を行っております。
発症した時は、肉体的な疲労やストレスを感じている方が多いですので、大事なことは心身共にとにかく安静にして、ストレスを解消することです。難聴の程度によっては入院が必要になります。治らなかった場合には必ず聴神経腫瘍を除外診断する必要 があります。聴神経腫瘍の約10%は突発難聴の形で発症すると言われます。当院では総合病院を紹介させていただき、CTやMRI検査を受けることをおすすめしております。