いびき、睡眠時無呼吸症候群について

①いびきの原因は何ですか?

 

いびきとは睡眠時の呼吸に伴う雑音のことです。睡眠中は全身の筋肉が緩みますが、舌を含むのどの周りの筋肉も緩みます。寝ることで、重力の影響で気道がより狭くなり、そこに空気が通ると周囲の組織が振動していびきが起こります。いびきには2つの種類があります。1.単純性いびきと 2.睡眠時無呼吸症候群を伴ういびきです。

単純性いびきは疲労、飲酒、カゼなどが原因の一時的な症状です。睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome : SAS)とは、一定の無呼吸、低呼吸状態を繰り返し、質の良い睡眠がとれないことで、昼間の眠気や倦怠感、集中力の低下などの症状を伴う病気です。睡眠中に呼吸が止まると、体はひどい低酸素状態になり心臓や脳に大きな負担をかけます。放っておくと高血圧や狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの重大な合併症を引き起こす危険性が高くなります。また、血糖値のコントロールも悪くなる為、糖尿病にかかりやすくなります。

 

 

②いびきの治療はどんなことをしますか?

 

いびきの治療で大切なのは単純性いびきなのか睡眠中無呼吸症候群なのかきちんと診断することです。睡眠時無呼吸症候群の場合は原因の特定を行い、それに応じて鼻や咽頭の総合的な治療をおこないます。鼻に空気を送り込むCPAP(持続陽圧換気)療法やマウスピース治療、肥満の方はダイエット指導が必要です。扁桃腺が大きい場合は扁桃腺を摘出する手術(UPPP口蓋垂軟口蓋咽頭形成術なども含む)を行うこともあります。

 

 

③日常生活で気を付けることはありますか?

 

1.鼻の状態が悪いといびきがでやすくなります。鼻の粘膜が腫れ、息を吸いにくくなって口で呼吸してしまうためです。まずはお鼻の治療をしっかり 行っていきましょう。

2.枕を高くしすぎると気道が狭くなり、いびきが出やすくなります。よほど安眠できない限りはあまり高い枕は控えたほうがよいでしょう。

3.アルコールを沢山飲む、あるいは疲れた時に飲むと、筋肉が緩みます。そうなるといびきが増えてきます。

いびきは、原因の特定と程度の診断が重要です。また日常の生活習慣も大きく影響しますので健康的な生活習慣が改善への第一歩であることをご理解ください。