インフルエンザ迅速検査
当院では咽頭拭い液や鼻腔拭い液などの検体を使って迅速にインフルエンザを診断するキットを使用しております。約15分~20分お待ちいただければ、A型インフルエンザもB型インフルエンザも検査することが出来ます。
検査の結果、インフルエンザ陽性と出た場合はほぼインフルエンザと断定して間違いはありませんので抗インフルエンザウイルス薬などを使用して治療を開始いたします。しかし、注意していただきたいのは、検査の結果インフルエンザ陰性と出た場合でもインフルエンザではないと断定されたわけではないことです。
検査で陰性と出た場合にはインフルエンザであることもインフルエンザでないこともあり得ます。特に発症後1日以内はインフルエンザに感染していても、検査では陰性となる可能性があります(これを偽陰性 と言います)。発症12時間以内の検査では23.5%が偽陰性という報告もあります。また、子供より大人の方が陽性率が低い傾向にがあります。
抗インフルエンザ薬の効果が期待できるのは発症後48時間までと言われておりますので、「検査では陰性だが臨床症状や流行状況から考えて、どう考えてもこれはインフルエンザだ」と医師が判断した場合には発症後48時間以内なら効果のある抗インフルエンザ薬を処方することもあります。
発病後48時間以降になるとインフルエンザ迅速検査の陽性率は高くなりますが、48時間経過した時点では抗インフルエンザ薬の効果は期待できなくなります。
医師が抗インフルエンザ薬を処方した場合には検査の結果が陰性であったとしても指示通りに服薬を続けることを強くお勧めします。インフルエンザの薬は通常5日分処方されますが、たとえ1~2日で熱が下がったとしても薬は最後まで服用されることをお勧めします。インフルエンザの薬が効果ある場合には通常服用2日までには8割近くの患者さんが解熱しますが、解熱した後もインフルエンザウィルスは排出され続けており、他の人に感染する危険性があるためです。