流行性耳下腺炎(おたふく風邪)について
①流行性耳下腺炎(おたふく風邪)とは何ですか?
おたふく風邪は子供の頃にかかりやすい病気の一つで、「ムンプスウイルス」と呼ばれるウイルスの感染が原因です。人から人へ飛沫感染、接触感染などによっておこります。流行性耳下腺炎という名前からも、おたふく風邪は耳下腺から顎下腺部分にかけての腫れ症状をおこす病気です。
最初は少し調子が悪いかなというぐらいで、発熱や耳下腺の腫れが出るまでおたふく風邪と気づかない場合がほとんどです。腫れと痛みがひどくなると、食べ物をかめない、飲み込めないなどの症状があらわれます。 通常、腫れは1週間~10日間前後でおさまります。
②おたふく風邪の特徴について教えてください?
耳下腺部 (耳の付け根から頬、顎にかけての部分)の腫れは個人差があり、両方の耳下腺部が腫れる場合や片方の耳下腺部だけ腫れる場合、時間差で片方ずつ腫れる場合などがあります。腫れの大きさや左右の側についても個人差があります。初期症状として首の痛み、頭痛を訴える場合があります。腫れは発症してから24時間以内に出てくるのが通常で、腫れが最も大きくなるのは2日目頃です。3日目以降は通常、発熱も腫れ症状も徐々に消失していきます。
多くの場合、38度以上の高熱がでますが、発熱しないケースもあります。大人になってからおたふく風邪になった場合は40度を超える高熱を出すこともあります。稀に膵炎を起こして腹痛を訴えたり、男性の場合は睾丸炎をおこして生殖機能にダメージを受ける場合もあります。
おたふく風邪によって難聴になってしまう場合があり、「ムンプス難聴」と呼ばれます。約1万人~1万5000人に一人程度の割合で発症する可能性があると言われております。
③注意することは何ですか?
おたふく風邪の潜伏期間は、一般的に2~3週間程度の潜伏期間を得て症状を発症すると言われております。おたふく風邪は飛沫感染、接触感染するため、腫れがなくなるまでは外出を避けるようにしましょう。
合併症として高度難聴、髄膜炎、脳炎、精巣炎、卵巣炎などがあります。突然聴こえなくなったり(片耳の場合が多いです)、1週間以上たつのに耳の下の腫れがひかなかったり、熱が5日間以上続いたり、ひどい頭痛、嘔吐、下痢、けいれんや腫れた部分が赤くなったり、男性では睾丸の痛み、女性では下腹部痛がある場合は注意しましょう。
おたふく風邪は一度発症すると体内に一生涯持続する抗体ができるため再感染を起こすことはほとんどないといわれております。予防接種を受けることでおたふく風邪の予防を行うことは可能ですが、副作用として「無菌性髄膜炎」と「ムンプス難聴」があります。これらの副作用について事前に理解した上で予防接種を受けることが大切です。