舌下免疫療法のご案内

当院ではスギ花粉症に対する「舌下免疫療法」を行っております。舌下減感作療法は、スギ花粉のエキスを口の中に垂らして、身体に少しずつ慣らしていくことで、症状の軽減をはかる治療法です。くしゃみや鼻水などの症状を和らげる薬とは異なり、体質そのものを変える根本的な治療です。治療には3〜5年程度が必要となり、毎日1回継続する必要があります。効果については、7〜8割は症状が軽くなり、1~2割は症状が出なくなるといわれます。残り2割の方は治療前と変わらないといわれております。

花粉飛散時期に治療を開始すると副作用が出現する可能性が高まりますので、船橋市在住の方は、5月下旬から10月までの間に治療を開始することが望ましいです。

 

副作用としては、アナフィラキシーショック、口腔内のかゆみ、喘息発作、腹痛、嘔吐などがあります。アナフィラキシーショックは重篤になると命にかかわることがあります。最初は口や手足のしびれ、じんま疹、冷や汗などで始まりますが、しだいに脈が非常に弱くなり、血圧が急激に低下するのが特徴です。そのまま放置しますと、呼吸困難、チアノーゼ(動脈血の酸素不足のため皮膚や粘膜が青白くなる反応)、意識を失うといった激烈な反応が現われます。

 

アナフィラキシーショックなどが出現した場合は専門医の指示のもと治療を行う必要があります。副作用の発現を避けるために、以下の注意点をきちんと守らなければなりません。

・舌下への投与後、5分間はうがいや飲食を避ける。

・舌下への投与後、2時間は激しい運動や入浴などは避ける

 

当院での適応

  1. 12歳以上
  2. 採血検査を行いスギの特異的IgEが上昇しており、なおかつスギ花粉の時期に特に症状が強いこと。
  3. 舌下免疫療法の確認事項の説明を受け、理解して頂いた上でそれに同意頂くこと。

 

以下の方は舌下免疫療法を受けることはできません。

  1. 妊娠されている方
  2. 喘息や気管支喘息の症状が強く出ている方
  3. 重症の口腔アレルギーの方
  4. 抜歯後などの口腔内の術後、傷や炎症などがある方

5.ステロイドや抗がん剤、β阻害薬使用など特定の薬を使用されている方

(心臓病の方、癌の治療をしている方、高血圧の方、免疫抑制剤を使用している方など)