滲出性中耳炎の治療について

①滲出性中耳炎とはどんな病気ですか?

 鼓膜の奥に滲出液(しんしゅつえき)という液体がたまる中耳炎です。液体がたまると、鼓膜やその周辺の骨の動きが悪くなり、外からの音が鼓膜から内耳に伝わりにくくなります。その結果として、耳の聞こえが悪くなります。小学校低学年ぐらいまでのお子さんに多い病気ですが、あまり痛みを訴えることはありません。聞こえの悪さで気付くことが多いですが、症状を訴えることが出来ない小さいお子さんの場合は気付かれずに、見逃されてしまう場合も少なくありません。治療しないで放置しておくと、鼓膜が癒着してしまったりして、難聴になってしまう場合があります。

 

②どのような治療が行われますか?

1.耳に通じる鼻の中をきれいにして、鼓膜の奥を清潔にします。そうすることによって、鼓膜の奥にたまった滲出液の排泄を促します。

2.薬液の吸入(ネブライザー)によって鼻と耳管の治療を行ないます。

3.お薬の内服をして頂き治療します。

 

 

③お願い

上記の治療を継続して行いますが、通常の中耳炎よりは時間がかかることが多いです。また、一度よくなっても繰り返す場合が多い病気です。

 

 治りが悪い場合は、鼓膜に穴を開け、滲出液を出したり、 鼓膜にチューブを通して、液を出す場合があります。アデノイドなどが原因になっている場合や難治性の場合は手術をおすすめする場合もあります。治るまで治療しないと、難聴になってしまう事がありますので、しっかり治療しましょう。 また、バイ菌の侵入を抑えるために、医師からの許可が出るまではプールは中止したほうがよいでしょう。